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2021/05/11
プレスリリース

WJOG(西日本がん研究機構)主導の観察研究で、ePROとして「WelbyマイカルテONC」が採用
~QOLを含む試験評価を目的に、PHRプラットフォームを活用した臨床研究を実施~

株式会社Welby
特定非営利活動法人西日本がん研究機構


特定非営利活動法人西日本がん研究機構(所在地:大阪府大阪市、理事長:中川 和彦 以下、WJOG)が主導する「ALK陽性進行期非小細胞肺がんに対するアレクチニブ治療後2次または3次治療としてのブリグチニブ多施設共同前向き観察研究(ABRAID試験)」(UMIN000042439)において、株式会社Welby(本社:東京都中央区、代表取締役:比木武、以下Welby)が提供するがん手帳アプリ「WelbyマイカルテONC(以下、マイカルテONC)」が、ePRO(electronic Patient Reported Outcome:電子的な患者報告アウトカム)機能として採用されましたので、お知らせいたします。

マイカルテONCは、がん患者さん及び医療関係者を支援するPHRサービスです。患者さんは日常の症状や治療状況に関する情報を簡単に記録・閲覧できるなど一元管理ができるほか、プロフィールや記録に応じ最適化された情報提供が行われます。これらの機能を通じて患者さんが治療に対して正しい理解が深まるようになることや、医療関係者が患者さんの状態(副作用や症状悪化)を早期検知することで、より良い治療アウトカムの実現を目指しますことを支援します。また、マイカルテONCはePRO機能として、特定の臨床研究への参加及び研究参加者を対象に、電子的に質問票を回収する役割も担います。

ブリグチニブ等の ALK 阻害剤が、殺細胞性抗がん剤に比べて優れている点の一つが、QOL(Quality of Life:生活の質)への悪影響の少なさと言われており、近年臨床研究においてはQOLを評価する指標の一つである患者自身による主観的評価を含むPRO(Patient Reported Outcome: 患者報告アウトカム)の重要性が高まりつつあります。更に PC・タブレット・スマートフォンを用いたePROを臨床に応用する事例は、他領域と共にがん領域でもみられており、電子デバイスを用いた QOL 評価、PRO-CTCAE 評価の有用性報告も近年多くみられています。これらの背景をもとに、WJOGでは2021年5月よりブリグチニブが投与されるALK肺がんの被験者を対象とし、ブリグチニブによるQOL、PS(Performance Status:PS)への影響を検討し、有害事象について多面的に評価することを目的に、Welbyが提供するマイカルテONCを活用した前向き観察研究を行います。

この度の取り組みでは、臨床試験の被験者へマイカルテONCでPRO質問票の配信と回収を行い、医師は専用管理画面よりその結果の閲覧を行うことで、被験者自身が症状の評価を行い医師へ共有する仕組みを構築します。質問票はブリグチニブの安全性を評価する目的でPRO-CTCAEを,QOLへの影響を評価するために EORTC QLQ-C30 及び EORTC QLQ-LC13を利用する予定です。被験者が試験参加期間終了後においてもマイカルテONCの利用継続を希望される場合には、試験で記録されたデータも含めPHRとして継続的に診療の中でご活用いただくことが可能です。これまでのePROは臨床試験において患者さんのPROデータを試験のために収集するツールという位置づけでしたが、PHRとしての側面を持つことにより実臨床の中で有用な治療支援ツールとして浸透していくことを目指しています。

臨床試験におけるマイカルテONCの利用イメージ

マイカルテONC利用イメージ.jpg

ABRAID試験の研究事務局を担当する和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 講師の小澤 雄一医師は、「数多くの大規模臨床試験を実施してきたWJOGにおいてもePROを用いる試験はこのABRAID試験が初めてになります。ePROは紙ベースの質問票や問診と違い、患者さんが好きなタイミングで時間をかけて答えを出すことができ、また、医師・患者間の情報共有もしやすいため、臨床試験、日常臨床の双方において今後ますます重要なツールになると思っています。ABRAID試験には全国80以上の施設が参加する予定ですので、この試験でePROの有用性を示すことができれば、海外に比べて遅れる本邦でのePROの普及や今後の発展にも貢献できるのではないかと、期待しています。」と語っています。

Welby 代表取締役の比木 武は、「Welbyは、がん治療中の患者さんがご自身の情報を一元管理可能なPHRサービスとして、2020年2月よりマイカルテONCの提供を開始しました。既に複数のがん診療連携拠点病院等での導入をされるなど、多くの患者さんにご利用いただいております。
今回の取り組みを通して、マイカルテONCが肺癌領域において有用性があるという結果を示していきたいと考えております。PHRサービスが、がん治療現場で浸透することによってデータに基づく診療コミュニケーションや患者さん個々の状態に合わせた最適な治療が提供されるようになることを目指しております。」と語っています。


◇西日本がん研究機構について
西日本がん研究機構(WJOG)は、最高のがん治療を患者さんに届けるために、科学的なエビデンスを臨床試験で明らかにする目的で、日本全国のがん治療の専門医が集まって設立した臨床試験グループです。NPO法人となって20年になり、ますます精力的に活動しています。WJOGの臨床試験の結果は、各種診療ガイドライン等に反映されています。臨床試験の実施とともに、一般市民への最新のがん情報の提供および臨床試験を精確に実施できる若手研究者の育成にも注力しています。

●団体名   :特定非営利活動法人 西日本がん研究機構
●代表者   :理事長 中川 和彦(なかがわ かずひこ)
●本社所在地 :大阪府大阪市浪速区元町1丁目5番7号 ナンバプラザビル3階304号室
●設立年月  :1990年12月
●URL   :http://www.wjog.jp/

◇株式会社Welbyについて
Welbyは、2011年からPHR(Personal Health Record)サービスを提供するリーディングカンパニーとして、様々な疾患領域の患者さんを対象とする、治療支援デジタルサービスの企画・開発・運用をしています。提供するPHRサービスの一つ「Welbyマイカルテ」は、糖尿病、高血圧などの生活習慣病患者さんを対象に、血糖値や血圧などの自己管理を支援するスマートフォン向けアプリです。また、大手製薬企業と共同で企画し、Welbyが運営するPHRサービスも数多くあり、生活習慣病をはじめとして、オンコロジー領域、中枢神経系領域、自己免疫疾患、希少疾患など、幅広い領域でPHRサービスを提供しています。また様々な疾患領域におけるPHRサービスの実績とID・DB基盤を活かし、臨床研究を対象としてPHR/PROを活用したエビデンス創出の相談から、PHR/PROの収集システムの開発・運用、機器の運用支援までをパートナー企業と連携して提供しています。

●社名    :株式会社 Welby(証券コード:4438)
●代表者   :代表取締役 比木 武(ひき たける)
●本社所在地 :東京都中央区日本橋本町 2-7-1 野村不動産日本橋本町ビル 3 階
●設立年月  :2011 年 9 月
●事業内容  :患者向け治療支援デジタルサービス(PHR)の企画・開発・運用
●URL   :https://welby.jp/


◇報道関係 お問合せ窓口
●株式会社Welby 広報担当:pr@welby.jp

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