【開催レポート】Welbyが「『患者中心』を今考えるセミナー」を開催

株式会社Welbyは2026年7月8日(水)、患者向け医療情報プラットフォーム「Welby Patient Contents Platform(略称:WPCP)」と医薬品情報サイト「お薬のこと・病気のこと(略称:kotokoto)」の提供開始を記念し、「『患者中心』を今考えるセミナー」を日本橋ホール(東京都中央区)で開催しました。本セミナーは単なるサービス発表の場ではなく、"患者中心"をテーマに、製薬企業・医療ヘルスケア企業が今後どのように患者さんと向き合い、価値を提供していくべきかを考える場として開催しました。当日は製薬企業、医療従事者、ヘルスケア関連企業の皆様に多数ご来場いただき、講演後の懇親会でも登壇者と参加者の活発な意見交換が行われ、会場は終始盛況な雰囲気に包まれました 。
開会挨拶:患者さんのデータを、オープンプラットフォームで生かす(Welby 比木)

開会にあたり、当社代表取締役の比木 武が、WPCP発足の経緯と背景を紹介しました。当社が約15年にわたりPHR(Personal Health Record)サービスを提供し、44の疾患領域で治療サポートのデジタル化に取り組んできた実績に触れました。マイナポータルや電子カルテとの連携が進み、医療データを患者さん自身の手元に返せる環境が整いつつある今こそ、データを患者さんの学びと治療に生かす仕組みが求められていると述べ、WPCPを通じて患者さんへの新たな情報提供のあり方を実現していく考えを示しました。
"蓄積されてきたデータは、一義的には患者さんご自身のものです。かかりつけ医をはじめ関係するステークホルダーの皆様とともに有効活用し、一社で完結するのではなく、オープンプラットフォームとしてより良い医療の実現を目指します。"
基調講演:中外製薬が目指すPatient Centric(中外製薬 塚本氏、嶋内氏)


基調講演には、中外製薬株式会社 営業本部 副本部長の塚本 衡司氏と、同社カスタマーソリューション部 部長の嶋内 隆人氏が登壇されました。
塚本氏は、同社が「患者中心」を最優先する理由を、企業理念のコア・バリューに「患者中心」を掲げ、社員一人ひとりに深く浸透しているからだと説明されました。2020年開始のCEOダイアログや、創薬研究に患者さんの声を取り入れる「PHARMONY」など、患者さんを医薬品開発チームの一員として迎える協働活動について紹介されました。
続く嶋内氏は、製品情報の提供にとどまらず、チーム医療や地域連携など医療現場の課題解決を支援する「アラウンドプロダクト」の考えに基づき、MRと全国のリエゾンエリアコーディネーター(LAC)が一体となった活動やがん患者さんに寄り添う情報サイト「がんWith」の取り組みも交えながら、「患者中心」における具体策について紹介されました。
(写真は上から塚本氏、嶋内氏)
Welby Session:『患者中心』に向けた新サービス「WPCP」のご紹介(Welby 中野)

当社取締役COO・WPCP事業責任者の中野 暢也は、WPCPの開発秘話とサービス概要を説明しました。患者さんは「欲しい情報がどこにあるか分からない」「医療用語が難しい」、医療者は「資材の改訂がすぐに分からない」、製薬企業は「最新性を担保した資材提供が難しい」「患者さんの声を拾えていない」──三者それぞれの課題の根底にある情報格差を、患者軸で解決するのがWPCPの役割であると考えを示しました。
WPCPの特徴として、製薬企業は閲覧ログや評価情報をタイムリーに入手し、より良いコンテンツづくりに活かせ、閲覧サイトとなるkotokotoは、患者さん・医療者が必要なコンテンツを検索・参照・評価でき、お気に入り登録した薬剤・疾患の更新情報を自動で受け取れます。開発時に特にこだわった点として、60〜70代のユーザーがスマートフォンで迷わず使えるよう、文字を大きく、必要な情報だけに絞り込む「引き算の設計」を採用し、掲載コンテンツは製薬企業や医療者の監修が入ったコンテンツのみにしています。本サービスは、MBK Wellness、RAD-AR、medパスをはじめとするパートナーの皆様との共創により、2026年4月20日に提供を開始し、くすりの適正使用協議会(RAD-AR)のサイトでも紹介されています。
"必要な人に、必要なタイミングで、最新性を担保したコンテンツを届ける。WPCPは、患者さんにとっての『情報のコンシェルジュ』を目指します。将来はPHRと連携し、患者さんの状態に応じた個別のコンテンツ配信で、患者さんと医療者が一緒に治療を決めていく世界の実現に貢献したいと考えています。"
WPCP Partner Session 1:患者中心医療を支える、医療者認証・情報連携の可能性(medパス 鈴木氏)

株式会社medパス 営業部 クライアントサービスグループ マネージャーの鈴木 滋己氏は、患者さん向けの情報だけでは医療情報の流通は完結しないとし、医師・薬剤師などの資格を確認したうえで専門性の高い情報につなぐ「medパス:医療者の認証インフラ」の役割を解説されました。
medパスには約40万人の医療者が登録し、今年10月にサービス開始から10周年を迎えます。同じ疾患・治療についても、患者さんにはkotokotoを通じて理解しやすい情報を、医療者にはmedパス認証を通じて専門の高い情報を提供することの重要性を説明しました。それぞれの立場に適した情報提供を実現することで、診察や服薬指導の場における対話の質を高められるという、両サービスの連携による可能性を示されました。
また、今後の取り組みとして、電子芳名帳サービス「GuestBook」による学会・講演会受付のデジタル化や、CRM連携、オウンドサイトへの継続的な情報提供など、医療者接点を一度きりで終わらせず、次の情報提供につなげていく構想にも触れました。
WPCP Partner Session 2:『家庭の医学』が繋ぐ、患者と医療(MBK Wellness 渡邊氏)

MBK Wellness株式会社 保健同人フロンティア事業本部 コンテンツ事業部 部長の渡邉 美夏氏は、同社の創業80年にわたる歩みと医療・健康情報を発信するうえで大切にしている編集理念について紹介されました。
同社の原点は、創業者自身の結核闘病体験から生まれた「患者自身が科学的根拠に基づく正しい知識を持つことが、病気と向き合う力になる」という考えです。1946年、結核療養のための指導啓発雑誌『保健同人』を創刊し、 1969年には『家庭の医学』発刊。電話健康相談を経て、2022年には『みんなの家庭の医学』アプリ版・Web版をリリースし、本年2026年からはコンテンツのAPI提供を本格化し、WPCPとの連携も実現したことも紹介されました。
全コンテンツを医師・医療専門職が執筆・監修し、正確性・最新性・一貫性・安全性・汎用性の5つを編集方針に掲げ、健康情報があふれ、情報の信頼性を見極めることが難しくなっている現在において、こうした編集姿勢の重要性を強調しました。
特別講演:薬剤師が繋ぐ患者中心医療を実現するコミュニケーション(ファルモ 北場氏)

株式会社ファルモ データインテリジェンス事業部 CDIO/戦略的提携ヘッドの北場 彰氏は、保険薬局の薬剤師が調剤中心の「対物業務」から、服薬支援や健康相談を担う「対人業務」へとシフトしている現状について解説されました。日本製薬工業協会(製薬協)の生活者意識調査では、処方薬情報の入手経路として「医師・薬剤師」を挙げる人が56.8%と依然最多であることを踏まえ、最適な相手に・最適なタイミングで・最適な内容を・最適なチャネルで情報を届ける「4Rコミュニケーション」の場として薬局が果たす役割を紹介されました。
同社が薬局薬剤師に実施したアンケートでは、希少疾病薬・精神疾患薬・内服抗がん剤・肥満薬の全領域で製薬企業への支援ニーズが確認された一方で、求められる支援の中身は領域ごとに異なることが明らかになったと紹介されました。最後に、薬剤師による「ラストワンマイル」での支援が患者さんの行動変容や治療継続を後押しするとともに、薬剤師のフィードバックを患者指導箋や患者サポートプログラム(PSP)の継続的な改善につなげていくことの重要性を提言されました。
閉会挨拶:医療現場と製薬企業をつなぐ「橋渡し」に(Welby 清水)

閉会にあたり、当社取締役Chief Medical Officerの清水 健一郎が、医師としての経験を踏まえて閉会の挨拶を行いました。
"外来で患者さん一人にかけられる時間は5分から10分ほどで、病気とお薬の両方を丁寧に説明しきることは容易ではありません。医療現場のニーズと、製薬企業が持つ適切な情報をつなぐ場として、WPCPとkotokotoを活用いただき、より良い情報共有のあり方を皆様と議論し続けていきたいと考えます。"
当社は、ミッションである"Empower the Patients ── 患者が、自ら情報を得て、自ら行動して、自ら判断する"の実現に向けて、パートナーの皆様とともに患者中心医療への取り組みを進めてまいります。本セミナーにご登壇・ご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
開催概要
名称:「『患者中心』を今考えるセミナー」
日時:2026年7月8日(水)15:00〜17:30(懇親会 17:40〜19:40)
会場:日本橋ホール
対象:製薬企業、医療従事者、ヘルスケア関連企業
主催:株式会社Welby
■株式会社Welbyについて
株式会社Welbyは、生活習慣病・オンコロジー・自己免疫疾患など多領域に対応するPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」を中心に、医療データの利活用を支援するソリューションを提供しています。個人が自らの健康を把握し、行動変容につなげる社会の実現を目指しています。
会社概要
会社名:株式会社Welby
所在地:東京都中央区京橋一丁目11番1号
代表者:代表取締役 比木 武
設立:2011年9月
事業内容:PHRプラットフォームの開発・運用
URL:https://www.welby.jp